お役立ちコラム
2022/09/10
【相続】亡くなった親・親戚の 借金を相続したくない
✓3か月の期限
✓被相続人の最後の住所地の裁判所
✓必要書類
✓財産の処分
✓財産隠し
相続放棄が完了するまで一切何もしないのが無難
✓はじめから相続人では無かった事になる
✓効力を争われることがある
✓管理義務は残る ※不動産に注意
Webサイトを見ていただきありがとうございます。司法書士の山下隆之です。
今日は「親や親戚の借金を相続したくない」というときのために
「相続放棄」をテーマに話をしたいと思います。
相続放棄には「期限」や「してはいけないとこ」が結構あって注意が必要なので分かりやすくお伝えできればと思います。
相続放棄は家庭裁判所で申述、簡単に言うと申請書を書いて添付書類と一緒に提出して行います。
そこでまず相続放棄の手続きの概要を説明します。
家庭裁判所へ手続きする際にどういったことに気を付けるかを紹介します。
次に相続放棄をする際に「してはいけない事、してもかまわない事」があり、
判断に困ることがいっぱい出てきます。動画ではしてはいけない事を解説していきます。
最後に相続放棄の効果と実際の話をお伝えします。
放棄の効果、すべての義務から逃れられるわけではないので注意してください。
家庭裁判所での手続き相続放棄には期限があります。申述は,民法により自己のために相続の開始が
あったことを知ったときから3か月以内にしなければならないと定められています。
Aが亡くなった相続を放棄する場合に、Aさんの死亡日から3か月以内に手続きする場合には
問題になりません。しかし死亡日から3か月を過ぎてから手続きをする場合には、
知ってから3か月が経過していないことを示す資料を裁判所に提出しなければなりません。
例えば借金の督促状などがそれにあたります。大切な資料になるので、その書面だけでなく、
届いた時の消印のある封筒も大切に保管しておいてください。
申立ては亡くなった方の住所地を管轄する家庭裁判所にする必要があります。
また必要書類も決まっています。申立人の戸籍謄本と亡くなった人の住民票の
除票が共通で必要になります。裁判所の管轄や必要書類は、
裁判所のホームページに詳しく記載があるので確認してください。
してはいけいない事に注意です。
相続放棄をするためには、亡くなった人の財産を処分したり、
財産を隠したりしていないことが必要です。遺産の売却や、現金の使用、預貯金を
解約して使うなどはしてはいけません。
当事者としていざ相続放棄しようと思うと何をしてしまったけど大丈夫かなと悩みがでてきます。
私からのアドバイスとしては、とにかく「相続放棄が完了するまで一切何もしない」のが無難です。
携帯電話の解約やクレジットの解約なども一切しないようにしましょう。
相続放棄の効果と実際のはなしです。相続放棄の効果として初めから相続人では無かったということになります。
なので金の請求をされた場合でも相続人じゃないから私は払いませんよといえるわけです。
この時、相続放棄をした人は裁判所で受理証明を発行してもらうことが出来るので、
この書面を債権者にみせて相続放棄をしたことを伝えていくことになります。
でも注意点が2点あります。
相続放棄が完了したら、もうだれも相続放棄を争えないというわけでは無いです。
相続放棄をする際に、「してはいけない事がある」と言いました。
家庭裁判所はこの禁止事項を本当にしていないかの詳細な調査なんてしていません。
なので形式的に要件を満たしていたら相続放棄は受理されます。
そのような簡易な調査しかしていない手続きなので、受理証明を受け取った債権者は、
裁判で相続放棄を争うことが出来ます。ですからくれぐれもスキを作らないよう、
とにかく「相続放棄が完了するまで一切何もしない」のが無難なのです。
また相続放棄をした後でも,相続財産の管理義務がのこります。
この管理義務は特に不動産の相続放棄で注意が必要です。
いつまで義務を負うかというと,次順位の相続人か相続財産管理人が
管理を始めることができるようになるまでです。
例えば,相続財産として古いした空き家がある場合,相続放棄をしたとしても,
次順位の相続人か相続財産管理人に管理を引き継ぐまでは,管理を継続する必要があるということになります。
古家が崩れて被害が出た場合など、管理責任を問われることがあるので注意が必要です。
山下リーガルサービスでは相続や遺言の相談を初回無料で行っています。
相談時には手続きの内容や費用の見積もりを丁寧に説明していますので是非ご利用ください。