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お役立ちコラム

兄弟仲がよいから大丈夫、が危ない

兄弟仲がよいから大丈夫、が危ない

こんにちは 神戸、明石、加古川を中心に相続手続きをサポートしている司法書士の山下です。

実際にあった相続トラブルを紹介する「事例から学ぶ相続」のコーナーです。兄弟間の相続トラブル

 

今回は「兄弟仲がよい」から相続対策は別にしなくてもよいだろうと考えていた方の事例です。

いざ相続がおきて戸籍を集めてみると思わぬ事態になってしまいましたのでご紹介します。

 

 

1.はじめに

皆さんは両親や配偶者の戸籍をじっくりと見たことはありますか?

 

おそらくほとんどの方は「ない」のではないでしょうか。

私自身、両親は幸い元気なので戸籍を出生からさかのぼってみた事はないですし、配偶者の戸籍を見たこともありません。

 

今回の事例は仮に神戸市須磨区のAさんとしておきます。

このAさんはBさんと2人兄弟で、今回父親が亡くなられたため相続手続きの相談で事務所に相談にいらっしゃいました。

 

AさんBさんの兄妹仲はよく、相続財産の不動産はAさんが相続し、預貯金はAさんBさんで半分に分ける話が既についていて、

 

登記と銀行手続きだけをすればよいだろうと考えておられました。

 

私も含めてですが、わざわざ両親や配偶者の戸籍を相続前から確認されている方は少ないでしょうからAさんBさんが、

 

これで相続手続きは無事終わるだろうと思っておられたのも無理のない話しと思います。

 

2.相続人がもう一人いた!!

ところが、Aさんから依頼をうけ戸籍を収集していく中でもう一人「Cさん」という相続人がいる事が分かりました。

 

AさんBさんに、Cさんの事を確認しましたが、お互い何も知らないとの事でした。

 

戸籍ではCさんは、父親の先の結婚相手との間に出来た子供で、Cさんが出生して直ぐに離婚しCさんは別の家庭に養子に出ておられました。

 

父親はその事を知っていたはずですが、結局お亡くなりになるまで話をせずAさんBさんは知らずじまいだったようです。

 

相続手続きは遺言がない場合、基本的に「相続人の全員の一致」が必要になりますからCさんにも協力を求める必要がでてきました。

 

3.どのように遺産分割をしたか

AさんもBさんも、Cさんの顔を見たことがないどころか連絡先も全く知らない状況でしたので、私は先ずCさんに連絡を試みました。

 

戸籍には「附票」といって住所の履歴を記録してある書類があります。

 

それでCさんの現在の住所を確認しました。

 

次にNTTの104でCさんの電話番号を検索してもらいます。運良くNTTに登録があれば直ぐに電話連絡できると考えたからです。

 

残念な事に今回は電話登録はされていませんでした。そこで手紙を送り、事情を説明しCさんに当事務所に連絡いただけるようお願いしました。

 

1通送ったところ返事が無かったので、少々時間をあけて2通目を送りました。

 

2通目を送って直ぐにCさんから連絡があり遺産分割の話を進める事が出来るようになりました。

 

Cさんが見つからなければどうしようと思っていたので正直大変ホッとしたのを覚えています。

 

4.当初とは違う形で遺産分割を完了

当初AさんBさんの間では、相続財産の不動産はAさんが相続し、預貯金はAさんBさんで半分に分ける話でまとまっていました。

 

しかしCさんが現れたことで、Cさんを巻き込んだ形で遺産分割を検討する必要が出てきました。

 

私は、今回はこれまで全く付き合いが無かったCさんが当事者になったので「出来るだけ法定相続分」に

 

沿った遺産分割をしないとトラブルになる可能性が高いことをアドバイスしました。

 

結局、Cさんには法定相続分相当の、不動産と預貯金を合わせた額の「3分の1に相当する現金」をお支払し遺産分割に協力頂きました。

 

Cさんには私が現金をもって会いに行き、その場で遺産分割協議書に押印を頂いたのですが、

 

「母は養育費をもらっていなかった事」や「大変苦労された事」をお話いただきました。

また今回遺産分割に同意していただいたのは「顔も見たことのない兄弟がいることは知っていたが

 

お互いトラブルになるのは本望ではない」との思いがあったからとお話いただきました。

 

まとめ

今回担当させていただいた事件では、

【1】AさんBさんが当初の話に固執せず法定相続分を考慮した遺産分割案を取っていただいた事

【2】Cさんが複雑な思いがあるにもかかわらず、手続きにスムーズに協力していただけた

が重なり、大きなトラブルに発展せずに相続手続きを終える事ができました。

 

このように知らない相続人が出てきてもスムーズに解決できる場合ばかりではなく、

 

対応を誤れば裁判沙汰となるケースも珍しくありません。

 

もし父親が「遺言書」を書いていてくれたり、兄弟がもう一人いることを伝えておいてくれれば、

 

余裕をもって相続対策が出来たであろう事件でした。

 

司法書士事務所 山下リーガルサービスでは神戸市垂水区、須磨区、長田区、北区、西区、明石市など近郊の相続、遺言対策に力を入れています。

初回無料で出張し相談を受けていますのでお気軽にお電話にてお問い合わせ下さい。

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