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お役立ちコラム

遺言がある場合の不動産取得税

遺言がある場合の不動産取得税

こんばんは、神戸市垂水区の相続、遺言に強い司法書士山下です。

 

先日遺言書を持って相談に来られた方から、「遺言」で不動産を取得した場合「不動産取得税」は掛からない??と聞いたんだけどと質問を受けました。

 

私は「いえいえ、遺言での取得でも不動産取得税が掛かる場合はありますよ」とお答えしました。

 

どうも相談者様は、無くなった方が遺言を作成される際に弁護士や公証人から遺言があれば不動産取得税は非課税になると言われ誤解されていたようでした。

 

税金は制度変更が頻繁にあるためその時々で注意が必要ですが、少なくとも現状では遺言であっても不動産取得税が掛かる場合があるので、このブログで解説します。

 

不動産取得税とは

不動産取得税は、不動産を取得した人が都道府県に支払う税金(神戸市や明石市の場合は兵庫県ですから県税)です。

 

税率は結構高くて4%(宅地や建物は現状軽減があり3%)です。1千万円の不動産を購入したら30万ですからかなり高額だと思います。

 

もっとも住宅を居住用として取得した場合には、特例の適用が可能であれば納付額は大幅に減額されます。

 

詳しい説明はリンクを貼っておきますので、兵庫県の不動産取得税ページをご覧ください。

 

不動産取得税は非課税になる場合があり、代表的なものが下記の2点になります。

■ 相続により取得した場合

■ 公共の用に供する道路を取得した場合

 

そう、遺言の場合は「相続により取得した場合」にあたりうるため誤解が生まれやすいのです。

 

では遺言の場合、不動産取得税はかかるの?かからないの?

遺言の場合はどうなるのかは「相続により取得した場合」にあたるか否かで決まります。

場合分けは下記のようになっています。

 

■不動産取得税が非課税になる

不動産の移転先が「相続人」の場合

もしくは

遺言が「包括遺贈」の場合

 

■不動産取得税が課税される

不動産の移転先が「相続人以外」で遺言が「特定遺贈」の場合

 

簡単にいうと相続人に不動産が移転すれば「相続」と同じ扱いをされます=非課税。

 

また「包括遺贈」=財産の特定部分ではなく一切の財産を○○に遺贈する旨の遺言のこと= の場合はこれも「相続」と同じ扱いをされます=非課税。

 

しかしそれ以外の場合は不動産取得税をとられます=課税。

 

非課税だからと安心してたら請求が来た!?

遺言を実行して不動産の移転登記をしたAさんがいました(Aさんは相続人もしくは包括遺贈として)。

 

非課税だからと安心していたら、ある日突然「不動産取得税」の納付書がAさんのもとに送られてきてAさんびっくり。Aさんは慌てふためいてしまいます。

 

しかしこれは登記の仕組みを知っていれば、しゃーない話として事前に対応を準備することが出来ます、というのも

 

遺言で不動産の名義を変更する場合は、登記簿にこのように記載されます。

 

所有権移転 所有者 神戸市垂水区○○ Aさん  原因 平成27年3月12日遺贈

 

そう、登記簿からは「遺贈」=「遺言」にて所有権が移ったことが分かるのみで、もらった方が相続人なのかそれとも包括遺贈なのかは判別出来ないのです。

 

もし、もらった方が「相続人」の場合や「包括遺贈」にてもらったのであれば、納付書がきたら県税事務所に連絡して事情を説明し、

 

資料を添えて(戸籍や遺言書)非課税にしてもらうよう話をする必要があります。

 

登記をする司法書士が適切にアドバイスしていれば事前に準備ができるので、あわてることなく対応ができますね。

 

というわけで、今回は誤解されることが多い「遺言」にまつわる税金の話でした。

 

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