お役立ちコラム
2022/09/08
生前に贈与をされた人がいる場合
生前に財産を贈与された人が相続人にいる場合
相続人の中には亡くなった人から生前に財産の一部を譲り受ける人もいます。
よくあるのが、マイホームを購入する頭金を父親に一部出してもらった場合や、事業を始める際に開業資金を出してもらった場合などです。
全ての相続人が同じように財産をもらっていたり、そもそも相続人が1人だけという場合は問題になりません。
しかし、複数の相続人のなかで特定の人だけが財産をもらっているとなると当事者間には不公平感が生まれる場合があります。
相続開始時の財産だけで分配するとなると当然の感情かも知れません。
特別受益者とは
亡くなった人から生前に特別に財産をもらった人を特別受益者と呼び、
相続で分割協議時に合意が得られない場合には「特別受益」分を相続財産の一部の前渡として扱う場合があります。
これを「特別受益の持戻し」といいます。
この特別受益の持戻しは遺言書で免除する事が出来ます。具体的には遺言書に「特別受益の持戻しは免除する」と記載しておきます。
寄与者とは
亡くなった人は晩年入退院を繰り返し、長期にわたって介護が必要だったという場合はよくあります。
また事業をやっていて長男はずっと家業を手伝っていたという場合もあります。
このように被相続人の看病や介護、医療費を負担したり、財産の増加に「特別」に貢献した人を「寄与者」といいます。
こうした寄与者には相続財産から寄与分を受ける権利があります。
注意点として寄与者は必ず「相続人」である必要があります。
長男の嫁が故人を長らく介護したとしても、嫁自身が相続人で無い場合には「寄与者」にはなれません。
特別受益分や寄与分をどうやって決めるか
特別受益分や寄与分は遺産分割協議の最中で話合いで合意することになります。
特別受益分については金額が明確になりやすいですが、寄与分については金銭に換算しにくい場合もおおく話合いがまとまらない原因になりがちです。
話合いがまとまらなければ、家庭裁判所に調停、審判をもうしこんで決定してもらう事になります。