こんにちは 神戸市垂水区の司法書士 山下隆之です。

 

相続手続きでは、親族間ですぐに話がついて問題なく手続きが進めれる場合と、残念ながらそうでない場合があります。

なぜもめてしまうのか、検討するともめる原因は複数ある事に気づきます。

家族関係が複雑化している

1つには家族関係が複雑化していることがあげられます。離婚や再婚が大変増えています。

日本の離婚率は3組に1組と言われています。これはアメリカの2組に1組と比べれば「まし」だとは思いますが、1980年代では5組に1組の離婚だったのですから離婚、再婚が以前と比べて珍しくなくなっています。

先妻の子、後妻の子、認知した子、養子など立場によって相続人間の関係や思惑がことなり、話合いがうまくいかない場合が増えてきました。

また、先妻の子と後妻の子ではそもそも会ったことも話した事もない、といった場合もありえます。兄弟姉妹間でももめてしまうがあるのに、あった事もない人との間では話合いが円満に行かない場合が多くなる傾向にあります。

家族関係が希薄化して疎遠になっている

2世帯住宅、3世帯住宅は減ってきて親子の同居は少なくなっています。兄弟姉妹間でも正月とお盆くらいしかあったり話をしないという家庭も多いとおもいます。

これまでの家族、家業に対する考えは、家督相続制度(長男が家を継ぐ)に基づいたものでしたが、戦後からは家族平等が原則となり今までの古い家庭、家業に対する考えは変わってきました。

相続の場面においても、家や家業を守るという考え方から相続人の平等を主張する考え方が増えてきています。

さらに家族間の希薄、疎遠化が相続人間で平等を主張する雰囲気をつくっているといえます。

相続のトラブルは対岸の火事ではない

長い不況とデフレで収入が増えない中、もらえる財産はすべて貰っておこうという考えかたが増えてきていると感じます。

いつ不況で自分も失業するかもしれない、いつ自分の家族がうつや病気になって大金が必要になるかも知れないという不安のなか、手っ取り早く財産が手に入る「相続」は魅力的に映ることでしょう。

相続の遺産分割トラブルは遺産の多い方だけの問題ではありません。

むしろ、財産が家の土地と建物、あと少々の現金といったごく普通の家庭こそトラブルになりやすいといえます。

なぜなら不動産は売却してしまわないと相続人で分けることが困難なため、一人の相続人が不動産を相続すると他の相続人にとって非常に不公平になってしまうからです。

また、生前に住宅ローンの頭金をだしてもらった、結婚資金を出してもらったなど生前贈与の話も相続をややこしくします。寄与分や特別受益などの話をしだすと、わたしも私もとなり収集がつかない、過去のなじりあいがはじまりさらにまとまらなくなるでしょう。

相続人が平等に相続できる制度になった半面で、相続人間の本音が主張され財産の揉め事で家族親戚の縁が切れてしまうことも多いのが現実です。

相続トラブルを防ぐために

こういった相続トラブルのほとんどは「遺言書」がなく、亡くなった人の意思、希望が聞けないため相続人同士で(自分に都合よく)想像し、迷い、権利を主張し争いに発展していきます。

相続とは故人への感謝や家族親戚との絆を再確認し、将来へ向けての出発点になるはずの場ですが財産を分けることが全てになってしまっては寂しいものです。

トラブルを防ぐためには、自分の相続が発生する前に「遺言書」を書いておくことが非常に有効です。

なぜなら相続トラブルは「亡くなった人の意思、希望は既に聞けない」状況からスタートするからです。

遺言書を書き、生前の意志、希望を遺すことでトラブルを未然に防ぎましょう。